犬種ずかん② そっくりな2頭 ─ 迷うのは、あなただけじゃない
わん助
この金色の犬、ゴールデン・レトリーバーだね! ぼく、犬は得意なんだ。金色ならぜんぶゴールデンでしょ?
にゃるき
惜しいにゃ。金色の大型犬には
ラブラドール・レトリーバーもいるにゃ。しかも試験は、この2つを
わざと同じ問題の選択肢に並べてくるにゃ。
わん助
ええっ、意地悪だなあ…。どこを見れば分かるの?
にゃるき
そっくりなペアは
決め手を1つだけ覚えるにゃ。ぜんぶ比べようとすると、かえって迷うにゃ。この回は
6つのペアを、決め手1つずつで片づけるにゃ。
写真と解説を見ながら決め手をつかもう。
ペア1|ゴールデン・レトリーバー / ラブラドール・レトリーバー
決め手は毛の長さ。ゴールデンは胸・脚・尾に長い飾り毛がある。ラブラドールは全身が短毛でつるりとしている。
イギリス原産

ゴールデン・レトリーバー
原産地:イギリス
大型
胸と脚と尾に長い飾り毛。毛色は金色〜クリーム。
国試メモ:盲導犬として使われる代表的な犬種。股関節形成不全(股異形成)の好発犬種でもある。
カナダ原産

ラブラドール・レトリーバー
原産地:イギリス(起源はカナダ・ニューファンドランド島)
大型
全身短毛で飾り毛がない。尾は太く、根元から先までまっすぐ。毛色は黒・黄・チョコレート。
国試メモ:原産国を問われたらイギリス(カナダは生まれ故郷で、公認の原産国ではない)。盲導犬でいちばん多い犬種で、泳ぎを好む水猟犬。
ペア2|シーズー / ラサ・アプソ
決め手は顔の長さ。シーズーは鼻がぺちゃんと短く、顔が丸い。ラサ・アプソは鼻すじが長めで、全体に細長い。
中国原産

シーズー
原産地:中国(チベット由来)
小型
短い鼻と大きな目。伸び続ける被毛で、定期的なカットが要る。
国試メモ:短頭種なので気道と目のトラブルが多い(③の回)。
チベット原産

ラサ・アプソ
原産地:チベット
小型
床まで届く長毛。鼻すじがシーズーより長い。シーズーの祖先にあたる犬種のひとつ。
国試メモ:「猫の品種はどれか」という問題の誤答肢に入ってくる常連。名前がカタカナで猫っぽいので引っかかりやすいが犬。
ペア3|ヨークシャー・テリア / シルキー・テリア
決め手は大きさと毛の届き方。ヨークシャーは約3kg以下で被毛が床まで届く。シルキーは約4kg前後とひと回り大きく、被毛は床に着かない。
イギリス原産

ヨークシャー・テリア
原産地:イギリス
超小型
絹のような長毛。成長とともに毛色が変わり「動く宝石」と呼ばれる。
国試メモ:気管虚脱の好発犬種。首輪よりハーネスをすすめる場面が多い(③の回)。
オーストラリア原産

シルキー・テリア
原産地:オーストラリア
小型
ヨークシャーによく似るがひと回り大きく、被毛は床に着かない長さ。
国試メモ:原産地がオーストラリアである点が、ヨークシャー(イギリス)との分かれ目。
ペア4|ポメラニアン / 日本スピッツ
決め手は口の長さ。ポメラニアンは口が短く顔が丸い。日本スピッツは口がとがっていて、体もひと回り大きい。
ドイツ原産

ポメラニアン
原産地:ドイツ
超小型
丸い顔と短い口。ふわふわの被毛が首まわりで大きくふくらむ。
国試メモ:膝蓋骨脱臼が多い小型犬のひとつ。毛色は白以外にオレンジ・黒など幅広い。
日本原産

日本スピッツ
原産地:日本
小型
とがった口と白一色の被毛。背に乗る巻き尾。
国試メモ:日本原産だが天然記念物ではない(①の回)。
ペア5|パグ / フレンチ・ブルドッグ
決め手は耳の形。パグは前に折れた垂れ耳、フレンチ・ブルドッグは立ったコウモリ耳。
中国原産

パグ
原産地:中国
小型
前に折れた耳と、深いしわ、巻いた尾。
国試メモ:この犬種で最初に見つかった壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)が知られる。顔のしわの間は皮膚炎が起きやすく、日々の清拭が要る。
フランス原産

フレンチ・ブルドッグ
原産地:フランス
小型
立ったコウモリ耳。がっしりした体で尾は短い。
国試メモ:短頭種のなかでも気道が狭く暑さに弱い。難産が多く帝王切開になることも多い。
ペア6|ミニチュア・ダックスフンド / ビーグル
決め手は脚の長さ。ダックスは胴が長く脚が極端に短い。ビーグルはふつうの脚の長さで、体つきがずんぐりしている。
ドイツ原産

ミニチュア・ダックスフンド
原産地:ドイツ
小型
長い胴と短い脚。アナグマの巣穴に入る猟犬として作られた。
国試メモ:椎間板ヘルニアの好発犬種の代表。抱き方の指導が要る(③の回)。
イギリス原産

ビーグル
原産地:イギリス
中型
大きな垂れ耳と白・黒・茶の3色。嗅覚を使う猟犬(ハウンド)。
国試メモ:垂れ耳で耳の中が蒸れやすく、外耳炎が多い。検疫探知犬としても使われる。
わん助
決め手が1つずつなら覚えられる!
毛の長さ・顔の長さ・大きさ・口の長さ・耳の形・脚の長さ…なるほど、見るところは毎回ちがうんだね。
1問チャレンジ
写真の動物の品種として最も適切なのはどれか。
- 1. ラブラドール・レトリーバー
- 2. ゴールデン・レトリーバー
- 3. フラットコーテッド・レトリーバー
- 4. アイリッシュセッター
- 5. ノヴァスコシア・ダック・トーリング・レトリーバー
1ラブラドール:短毛で飾り毛がない。写真の犬は胸と脚に長い毛があるので当てはまらない。
2ゴールデン:これが正解。金色の被毛+長い飾り毛の組合せ。
※ 3〜5番の3犬種は名前だけ知っていれば十分です。写真で見分ける練習は、まずゴールデンとラブラドールの2つで足ります。
3フラットコーテッド:同じレトリーバーの仲間で、毛色は黒が代表(レバー=濃い茶もいる)。金色にはならない。
4アイリッシュセッター:赤茶(栗色)の長毛で、体はもっと細くすらりとしている。
5ノヴァスコシア:レトリーバーの仲間だがひと回り小さく、胸と足先に白い斑が入る。
看護でどう活きるか
🩺 現場ではこうなる
迷ったときに便利なのが「〜ちゃんは何犬ですか?」ではなく「〜ちゃんは、ラブちゃんですか? ゴールデンちゃんですか?」という聞き方です。品種を2択にして差し出すと、飼い主さんは答えやすく、こちらも知らないことを隠さずに済みます。犬種が分かると体重の見当がつき、薬の量や保定の人数の相談にもつながります。
覚え方のコツ
にゃるき
そっくりなペアは
決め手を1つだけ思い出すにゃ。2つ以上見ようとすると、かえって迷うにゃ。
- ペアで覚えて、決め手は1つ。「ゴールデンとラブの違いは?」と聞かれて毛の長さと即答できれば足りる。
- カタカナで猫っぽい犬に注意:ラサ・アプソは犬。猫の品種を選ぶ問題の誤答肢として出てくる(ウィペットも同じ役回りで出ます)。
- 原産地はセットで覚える:シルキー=オーストラリア、ポメラニアン=ドイツ、ダックス=ドイツ、ビーグル=イギリス、フレンチ・ブルドッグ=フランス、パグ=中国。
- 写真問題で自信がないときは、消去法。「毛色が違う」「大きさが違う」で2〜3枚は確実に削れる。
わん助
テストモードでもう1周してくる! 今度は写真だけで当ててみせるぞ!
※ ここに参考書のリンク枠を挿入予定
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