にゃるき
にゃるき先生の解説コーナー
愛玩動物看護師国家試験合格に向けて一緒に頑張るにゃー!!

組織のずかん ─ 肺・腎臓・筋肉・肝臓・膵臓・皮膚・消化管をまとめて見比べよう

⏱ 約10分 ずかん回2026-08-09 公開
にゃるき
ずかん回の第2弾は組織像にゃ。組織像は「臓器の顔」。人の顔と同じで、1人ずつ覚えるより並べて見比べると特徴が浮かび上がってくるにゃ。
わん助
組織の写真って、どれもピンクと紫のもやもやで…正直ぜんぶ同じに見えるんだけど…。
にゃるき
大丈夫、色で見ようとするから迷うんだにゃ。見るのは「形」。チェックポイントは4つだけにゃ。

ずかんの見方 ─ チェックは4つ

① スカスカ?ぎっしり?空洞だらけ=肺。細胞がぎっしり=肝臓。まず密度を見る
② 表面の形指のような突起(絨毛)=小腸。くぼみ(胃小窩)=胃。井戸のような管(陰窩)=大腸
③ 特徴的な「丸」毛玉のような丸=糸球体(腎臓)。薄く染まる島=ランゲルハンス島(膵臓)。斜めに刺さる管=毛包(皮膚)
④ 筋肉ならシマシマと核横紋(しま模様)の有無と、核の位置(端っこか中心か)で3種類の筋を見分ける

臓器の組織ずかん(9枚)

※ 写真の倍率はカードごとに違うので、写真同士で大きさ比べはできません。また標本はヒト・哺乳類のものを含みますが、基本構造は犬や猫と共通です(構造の理解が目的です)。

写真と解説を見ながら特徴をつかもう。
呼吸器 肺の組織像(HE染色)。ごく薄い壁で仕切られた肺胞の空間が視野の大部分を占める

決め手:スポンジ状の空洞

とにかくスカスカ。視野のほとんどが空気の入る空間(肺胞)で、それをごく薄い壁(肺胞中隔)が仕切る。壁の中の赤い点は毛細血管の赤血球。

国試メモ:肺胞の壁でガス交換(酸素⇔二酸化炭素)が行われる。壁が薄いのは拡散距離を短くするため。

写真: Yale Rosen / CC BY-SA 2.0

泌尿器 腎臓皮質の組織像。中央に毛玉状の糸球体とそれを包むボーマン嚢、周囲に尿細管の断面が見える

腎臓(皮質)

決め手:毛玉のような糸球体

中央の毛玉のような丸が糸球体。まわりのすき間がボーマン嚢で、ここで血液がろ過される。周囲に並ぶ管の断面はすべて尿細管

国試メモ:糸球体+ボーマン嚢=腎小体。糸球体が見えたら皮質(髄質には無い)。再吸収のしくみは腎臓の再吸収の記事へ。

写真: Ed Uthman / CC BY-SA 2.0

筋組織 骨格筋の縦断組織像。平行に走る筋線維に細かい横紋があり、核が線維の端に位置する

骨格筋

決め手:横紋+核が端っこ

太い線維がまっすぐ平行に走り、細かいしま模様(横紋)がある。核は線維のふち(辺縁)に並ぶ。多核の細胞。

国試メモ:筋の3種鑑別が頻出——骨格筋=横紋あり・核は辺縁・随意筋/心筋=横紋あり・介在板(細胞同士のつなぎ目の線)・枝分かれ・核は中心・不随意筋/平滑筋=横紋なし・紡錘形・不随意筋。

写真: Berkshire Community College / CC0

消化器 肝臓の組織像。肝細胞がぎっしり詰まり、ところどころに中心静脈の白い空洞が見える

肝臓

決め手:ぎっしり+中心静脈

細胞がぎっしり詰まった均一な見た目。ところどころの白い丸(中心静脈)に向かって、肝細胞がすだれ状(肝細胞索)に放射状に並ぶ。

国試メモ:中心静脈を中心とした六角形の単位が肝小葉。角には門脈・肝動脈・胆管の3点セット(門脈域)が並ぶ(写真の左上)。

写真: Fahd Hashemi / CC BY 4.0(切り出し)

消化器 膵臓の組織像。濃く染まる腺房組織の中に、薄く染まるランゲルハンス島が2か所見える

膵臓

決め手:薄く染まる「島」

濃く染まるつぶつぶ(腺房=消化酵素をつくる外分泌部)の海の中に、薄く染まる島ランゲルハンス島(内分泌部)が浮かぶ。写真では中央と左に島が2つ。

国試メモ:外分泌(消化酵素→膵管→十二指腸)と内分泌(インスリン・グルカゴン→血液)の2役。島のβ細胞が壊れると糖尿病につながる。

写真: Berkshire Community College / CC0(色調補正)

外皮 皮膚の組織像(HE染色)。上から角質層・表皮・真皮の層構造がはっきり見える

皮膚

決め手:上下の層構造

皮膚には必ず「外→内」の向きがある。いちばん上に網目状の角質層、その下に濃く染まる表皮(重層扁平上皮)が波打ち、下の広いピンクの層が真皮(線維ぎっしり)。

国試メモ:真皮には毛包・皮脂腺・汗腺が埋まる。犬猫は1つの毛穴から複数の毛が生える複合毛包が特徴(ヒトは単一毛包)。

写真: Kilbad / パブリックドメイン

消化器 胃の組織像。粘膜表面に胃小窩のくぼみが並び、その下に胃腺が詰まっている

決め手:くぼみ(胃小窩)

表面にくぼみ(胃小窩)が規則的に並び、その下に胃腺がぎっしり縦に詰まる。絨毛のような突起は無い。

国試メモ:胃腺の主細胞→ペプシノーゲン、壁細胞→塩酸、副細胞(頸粘液細胞)→粘液。粘液が自分の胃を塩酸から守っている。

写真: Nephron / CC BY-SA 3.0

消化器 小腸の組織像(HE染色)。上に指のような絨毛、その下に陰窩、下端に筋層が密着して続く

小腸

決め手:指のような絨毛

内腔側(上)から指のような突起(絨毛)→ 短い腺(陰窩)→ 下の筋層へと層が続く。絨毛が小腸のトレードマーク。表面積を増やして栄養を吸収するための構造。

国試メモ:絨毛+微絨毛で吸収面積を大きく稼ぐ。絨毛が見えたら小腸で決まり(胃にも大腸にも無い)。

写真: Nephron / CC BY-SA 3.0

消化器 大腸の組織像(HE染色)。表面は平坦で、試験管のようにまっすぐな陰窩が縦に整列している

大腸

決め手:絨毛なし+まっすぐな陰窩

表面(上)は平坦で絨毛が無く、試験管を並べたようにまっすぐな腺(陰窩)が粘膜筋板(下)まで整然と並ぶ。粘液を出す杯細胞(白く抜ける細胞)が多いのも特徴。

国試メモ:大腸のおもな仕事は水分の吸収と便の形成。「絨毛あり=小腸/なし=大腸」は組織像鑑別の定番。

写真: Ed Uthman / CC BY-SA 2.0

まとめ比較表

臓器 ひとことで ここで見分ける
スポンジ薄い壁の空洞(肺胞)だらけ。気管支の断面が混ざる
腎臓毛玉糸球体+ボーマン嚢+尿細管の断面
骨格筋しま模様横紋+核が線維のふち。心筋は介在板と枝分かれ、平滑筋は横紋なし
肝臓ぎっしり中心静脈へ放射状の肝細胞索。肝小葉の単位
膵臓濃い腺房の中に薄いランゲルハンス島
皮膚層+毛表皮(重層扁平上皮)・真皮・毛包・皮脂腺
くぼみ胃小窩+胃腺。突起は無い
小腸絨毛が突き出す
大腸井戸絨毛なし・まっすぐな陰窩・杯細胞が多い

消化管は「表面の形」で一直線に覚える

1問チャレンジ

組織標本で絨毛がみられる消化管はどれか。

1食道:絨毛はなく重層扁平上皮。こすれに耐える構造。
2:突起ではなくくぼみ(胃小窩)と胃腺。
3小腸これが正解。指のような絨毛で栄養の吸収面積を稼ぐ。絨毛が見えたら小腸。
4大腸:絨毛は無く、まっすぐな陰窩と多数の杯細胞。
5直腸:大腸の一部で、やはり絨毛は無い。
わん助
「色」じゃなくて「形」で見るんだね!スポンジは肺、毛玉は腎臓、指は小腸…あだ名をつけたら急に見分けられる気がしてきた!
にゃるき
そのとおりにゃ!あだ名(=構造の特徴)と役割をセットで覚えると、組織像の写真問題は消去法で解けるようになるにゃ。テストモードで復習していってにゃ〜。

覚え方のコツ

※ ここに参考書のリンク枠を挿入予定
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関連ページ

本ページの顕微鏡写真は Wikimedia Commons で公開されている画像を使用しています(縮小・切り出しのほか、一部の画像は白色点と色調を補正しています)。標本はヒト・哺乳類のものを含みます。染色はHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色を基本としています。 詳細はライセンス情報のページをご覧ください。