| ① スカスカ?ぎっしり? | 空洞だらけ=肺。細胞がぎっしり=肝臓。まず密度を見る |
|---|---|
| ② 表面の形 | 指のような突起(絨毛)=小腸。くぼみ(胃小窩)=胃。井戸のような管(陰窩)=大腸 |
| ③ 特徴的な「丸」 | 毛玉のような丸=糸球体(腎臓)。薄く染まる島=ランゲルハンス島(膵臓)。斜めに刺さる管=毛包(皮膚) |
| ④ 筋肉ならシマシマと核 | 横紋(しま模様)の有無と、核の位置(端っこか中心か)で3種類の筋を見分ける |
※ 写真の倍率はカードごとに違うので、写真同士で大きさ比べはできません。また標本はヒト・哺乳類のものを含みますが、基本構造は犬や猫と共通です(構造の理解が目的です)。
とにかくスカスカ。視野のほとんどが空気の入る空間(肺胞)で、それをごく薄い壁(肺胞中隔)が仕切る。壁の中の赤い点は毛細血管の赤血球。
国試メモ:肺胞の壁でガス交換(酸素⇔二酸化炭素)が行われる。壁が薄いのは拡散距離を短くするため。
中央の毛玉のような丸が糸球体。まわりのすき間がボーマン嚢で、ここで血液がろ過される。周囲に並ぶ管の断面はすべて尿細管。
国試メモ:糸球体+ボーマン嚢=腎小体。糸球体が見えたら皮質(髄質には無い)。再吸収のしくみは腎臓の再吸収の記事へ。
太い線維がまっすぐ平行に走り、細かいしま模様(横紋)がある。核は線維のふち(辺縁)に並ぶ。多核の細胞。
国試メモ:筋の3種鑑別が頻出——骨格筋=横紋あり・核は辺縁・随意筋/心筋=横紋あり・介在板(細胞同士のつなぎ目の線)・枝分かれ・核は中心・不随意筋/平滑筋=横紋なし・紡錘形・不随意筋。
細胞がぎっしり詰まった均一な見た目。ところどころの白い丸(中心静脈)に向かって、肝細胞がすだれ状(肝細胞索)に放射状に並ぶ。
国試メモ:中心静脈を中心とした六角形の単位が肝小葉。角には門脈・肝動脈・胆管の3点セット(門脈域)が並ぶ(写真の左上)。
写真: Fahd Hashemi / CC BY 4.0(切り出し)
濃く染まるつぶつぶ(腺房=消化酵素をつくる外分泌部)の海の中に、薄く染まる島=ランゲルハンス島(内分泌部)が浮かぶ。写真では中央と左に島が2つ。
国試メモ:外分泌(消化酵素→膵管→十二指腸)と内分泌(インスリン・グルカゴン→血液)の2役。島のβ細胞が壊れると糖尿病につながる。
写真: Berkshire Community College / CC0(色調補正)
皮膚には必ず「外→内」の向きがある。いちばん上に網目状の角質層、その下に濃く染まる表皮(重層扁平上皮)が波打ち、下の広いピンクの層が真皮(線維ぎっしり)。
国試メモ:真皮には毛包・皮脂腺・汗腺が埋まる。犬猫は1つの毛穴から複数の毛が生える複合毛包が特徴(ヒトは単一毛包)。
表面にくぼみ(胃小窩)が規則的に並び、その下に胃腺がぎっしり縦に詰まる。絨毛のような突起は無い。
国試メモ:胃腺の主細胞→ペプシノーゲン、壁細胞→塩酸、副細胞(頸粘液細胞)→粘液。粘液が自分の胃を塩酸から守っている。
内腔側(上)から指のような突起(絨毛)→ 短い腺(陰窩)→ 下の筋層へと層が続く。絨毛が小腸のトレードマーク。表面積を増やして栄養を吸収するための構造。
国試メモ:絨毛+微絨毛で吸収面積を大きく稼ぐ。絨毛が見えたら小腸で決まり(胃にも大腸にも無い)。
表面(上)は平坦で絨毛が無く、試験管を並べたようにまっすぐな腺(陰窩)が粘膜筋板(下)まで整然と並ぶ。粘液を出す杯細胞(白く抜ける細胞)が多いのも特徴。
国試メモ:大腸のおもな仕事は水分の吸収と便の形成。「絨毛あり=小腸/なし=大腸」は組織像鑑別の定番。
| 臓器 | ひとことで | ここで見分ける |
|---|---|---|
| 肺 | スポンジ | 薄い壁の空洞(肺胞)だらけ。気管支の断面が混ざる |
| 腎臓 | 毛玉 | 糸球体+ボーマン嚢+尿細管の断面 |
| 骨格筋 | しま模様 | 横紋+核が線維のふち。心筋は介在板と枝分かれ、平滑筋は横紋なし |
| 肝臓 | ぎっしり | 中心静脈へ放射状の肝細胞索。肝小葉の単位 |
| 膵臓 | 島 | 濃い腺房の中に薄いランゲルハンス島 |
| 皮膚 | 層+毛 | 表皮(重層扁平上皮)・真皮・毛包・皮脂腺 |
| 胃 | くぼみ | 胃小窩+胃腺。突起は無い |
| 小腸 | 指 | 絨毛が突き出す |
| 大腸 | 井戸 | 絨毛なし・まっすぐな陰窩・杯細胞が多い |
組織標本で絨毛がみられる消化管はどれか。