| ① 袋か、管か、かたまりか | 丸い袋がびっしり=甲状腺。丸い管がびっしり=精巣。ただの細胞のかたまり=副甲状腺(上皮小体)。肺の中に厚い壁の管が1本=気管支 |
|---|---|
| ② 濃い所と淡い所の配置 | 外が濃く中が淡い小分け構造=胸腺。淡い地に濃い島が点在=脾臓。上下2階建て=副腎。淡い網目の地に大きな細胞が点在=神経組織 |
| ③ 中身が入っているか | 丸の中がピンクに詰まる=甲状腺のコロイド(白く抜けたら肺)。丸の中心に卵子がのる=卵巣の卵胞 |
※ 写真の倍率はカードごとに違うので、写真同士で大きさ比べはできません。標本はウマ・ウシ・ネコ・マウス・ラットなどのものを含みますが、基本構造は犬や猫と共通です(構造の理解が目的です)。染色はすべてHE(ヘマトキシリン・エオジン)染色です。
大小の丸い袋(濾胞)がびっしり。袋の中はピンクにベタッと染まるコロイドで満たされ、袋の壁は1層の濾胞上皮細胞。「中身入りの丸」が並んでいたら甲状腺で決まり。
国試メモ:濾胞上皮細胞がサイロキシン(T4)・トリヨードサイロニン(T3)を、袋の間にある濾胞傍細胞(C細胞)がカルシトニン(血中Ca濃度を下げる)を分泌。T3・T4の材料はヨウ素。
写真:当サイト撮影(ウマ・HE染色)
甲状腺の背側面にくっついている小さな器官。甲状腺と違い濾胞もコロイドも無く、小型の細胞(主細胞)が細い毛細血管を挟んでぎっしり詰まるだけ。「袋がない甲状腺のとなり」が目印。
国試メモ:副甲状腺ホルモン(パラトルモン/PTH)を分泌し、血中Ca濃度を上げる。甲状腺のカルシトニン(下げる)と正反対のペアで覚える。通常は左右2対。
写真:当サイト撮影(HE染色)
まず低倍率で2階建てを見る。外側の皮質は細胞が層になって帯のように並び、内側の髄質は配列がバラけて色調も変わる。皮質はさらに外から球状帯・束状帯・網状帯の3層。
国試メモ:球状帯→鉱質コルチコイド(アルドステロン)、束状帯→糖質コルチコイド(コルチゾール)、網状帯→性ホルモン。髄質は交感神経のなかまでアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌。皮質と髄質は出身も役割も別物。
写真:当サイト撮影(ネコ・HE染色)
細い結合組織で小葉に区切られ、ひとつひとつの小葉が外は濃く(皮質)・中は淡い(髄質)。皮質が濃いのは、未熟なリンパ球がぎゅうぎゅうに詰まっているから。
国試メモ:T細胞が分化・成熟する場所。若い動物では大きく、成長とともに縮んで脂肪に置き換わる(退縮)。胸の入口(前縦隔)にあり、胸腺腫の発生部位でもある。
写真:当サイト撮影(HE染色)
全体は赤血球で赤っぽい赤脾髄。その中にリンパ球が集まった白脾髄が島のように点在する。島の中心を小さな動脈が貫いているのが決定的な目印。
国試メモ:T細胞・B細胞がともに働くリンパ器官(動脈のすぐまわりがT細胞、そのわきの濾胞がB細胞)であると同時に、古くなった赤血球を壊し、血液を貯える。犬では血管肉腫や脾臓捻転など外科疾患の多い臓器。
写真:当サイト撮影(ウシ・HE染色)
表面に近い皮質に、大小さまざまな卵胞が同時に見える。小さいものは細胞1層に包まれただけ、大きく育つと卵子のまわりに細胞(顆粒膜細胞)が何層も重なり、やがて中に卵胞液がたまった空間(卵胞腔)ができる。丸の中心に卵子がのっているのが目印。
国試メモ:卵胞はエストロゲンを、排卵後の黄体はプロゲステロンを分泌。下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)が卵胞の発育を、LH(黄体形成ホルモン)が排卵と黄体化を促す。避妊手術(卵巣子宮全摘出)で取り除く臓器。
写真:当サイト撮影(ネコ・HE染色)
精細管の断面がすき間なく並ぶ。卵巣の卵胞と違い、中身は空で壁が何層にも厚いのが特徴。壁の外側から内腔へ向かうほど細胞が成熟し、いちばん内側に精子の尾が房のように見える。
国試メモ:管と管のあいだ(間質)にある間質細胞(ライディッヒ細胞)がアンドロゲンを分泌。管の壁のセルトリ細胞(支持細胞)は精子のもとになる細胞を支え栄養を与える。潜在精巣(陰嚢に降りてこなかった精巣)はセルトリ細胞腫のリスクが高い。
写真:当サイト撮影(マウス・HE染色)
地の部分は淡くスカスカに見えるが、これは穴ではなく細い神経線維が絡み合った網。その中に、角ばって突起をのばす大きな神経細胞が点在する。まわりに散らばる小さな核は神経細胞を支えるグリア細胞(神経膠細胞)。
国試メモ:脊髄は中心部が灰白質(神経細胞の本体が集まる・断面で蝶やHの形)、外側が白質(神経線維の通り道)。大脳・小脳では表面が灰白質・内側が白質なので、脊髄はその逆になる。灰白質の腹側(腹角)には、骨格筋を動かす運動神経細胞がある。
写真:当サイト撮影(ラット・HE染色)
まわりは肺胞だらけのスカスカの肺。その中に1本だけ、厚い壁をもつ管が断面で見える。内側の面は波打つようにひだを作り、拡大するとその表面は偽重層円柱線毛上皮(何層にも見えるが実は1層で、表面に線毛が生えた上皮)。壁には軟骨と平滑筋が含まれる。
国試メモ:線毛は粘液といっしょに異物を口側へ運び出す(気道の掃除機)。気管支が分岐して内径が小さくなったものが細気管支(壁の軟骨も消えていく)、さらに細いものが終末細気管支。空気の道順は「鼻→咽頭→喉頭→気管→気管支→細気管支→終末細気管支→肺胞」。
写真:当サイト撮影(HE染色)
| 臓器 | ひとことで | ここで見分ける |
|---|---|---|
| 甲状腺 | 中身入りの袋 | ピンクのコロイドが詰まった丸い濾胞がびっしり |
| 副甲状腺(上皮小体) | ただのかたまり | 濾胞もコロイドも無い。甲状腺の背側にくっつく |
| 副腎 | 2階建て | 外=皮質(帯状の3層)/内=髄質 |
| 胸腺 | 小分け | 小葉に区切られ、外が濃く(皮質)中が淡い(髄質) |
| 脾臓 | 赤い海に紫の島 | 赤脾髄の中に白脾髄が点在、島の中心に動脈 |
| 卵巣 | 大小の丸 | 発育段階の違う卵胞が同居し、丸の中心に卵子がのる |
| 精巣 | 壁の厚い管 | 精細管がぎっしり。壁が何層にも重なる |
| 神経組織 | 淡い網に大きな細胞 | 神経線維の網(穴ではない)に突起をもつ大きな神経細胞が点在 |
| 気管支 | 肺の中の管 | 肺胞に囲まれた厚い壁の管+線毛のある上皮 |
精巣において、精細管のあいだ(間質)に存在し、アンドロゲンを分泌する細胞はどれか。